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嫉恋

第10章 戦士の休息




「あ、あのペンダント可愛いね」

ふたりでゲームコーナーを歩いていると花織が声を上げて立ち止まった。風丸もつられて足を止める。彼女の視線の先を風丸が追ってみると、彼女はゲームコーナーの景品を見ているようだった。そこには四葉のクローバーのペンダントが飾られている。シルバーで作られているものらしい。葉の一枚には小さなフェイクダイヤモンドが埋め込まれており、またその隣の一枚は葉ではなく、フェイクパールがはめ込まれている。確かに女の子に受けがよさそうだとは感じた。

「欲しいのか?」
「えっと……、ううん。ゲームの景品みたいだし。行こう?」

花織は風丸の言葉に一瞬口籠ったが首を振った。そして彼の腕を引いて急かす。彼女の視線はもうペンダントには無かったが、風丸には花織のその行動はきっとペンダントを欲しがっているのではないだろうかと思えた。欲しいからこそワザと見まいとしているように感じられたのだ。

「花織」
「お、そこの可愛いおふたりさん、一回やってみいひん?」

風丸と花織のやり取りを見ていたらしいゲームコーナーのスタッフがふたりに声を掛けた。風丸と花織は反射的に声を掛けられた方に視線を向ける。そこには20代後半、ふたりにとっては大人に見えるスタッフがニコニコとふたりに手招きをしていた。

「えっと、その……」
「今日はふたりで遊びに来たん?ホンマにふたりとも可愛いなあ、男の子にモテるやろ?このペンダントつけたらもっと可愛くなれるで」

お姉さんが先ほど花織が見ていたペンダントが掛けられたボードを指差した。お姉さんの言葉にどこか引っ掛かりを感じてきょとん、と花織も風丸もそんな顔をした。そして互いに顔を見合わせる。顔を合わせて間もなく花織はクス、と笑みを零した。同時に風丸は少し怒ったような顔をする。

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