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嫉恋

第10章 戦士の休息




デート、その言葉の重みが付くだけでふたりは何となく緊張してしまっていた。花織は自分の手を引っ張る風丸の後姿を見つめる。

今日、遊園地を探索すると知って花織は、ふたりきりでこういう場所を回ることができることに期待していた。たとえどんな名目があってもデートのように思えることには変わりないし、第一風丸と過ごすことができるのだから文句などない。

でも今の状況は、花織にとってあまり良いとは言えなかった。折角、ふたりでいるのに彼はすっかり黙り込んでいるし、顔も合せてくれない。

「……いち」
「花織、すまない」

花織が彼の名前を呼ぼうとしたその時、風丸が振り返って花織に謝罪の言葉を呟いた。花織は驚いてえっと声を漏らす。風丸は申し訳なさそうに笑い、握った花織の手をそっと引いた。

「俺、今まで花織と一緒に出掛けたこと無かったな。初めに花織と付き合ってから今まで、ずっと」
「……」
「俺の練習に付きあわせてばっかりだった。遊びに行ったり、してなかったな」

すまない、と風丸が花織の目を見つめて言う。花織はきゅん、と胸が痛むのを感じた。今まで花織が風丸と一緒にデートという物をしてみたいと思っていたのはもちろん事実だ。でも彼の練習に付き合っていたことは自分の意志なのだし、何よりそうすべきだと自分でも思っていた。彼に謝る謂れなどないはずだ。

何より今、エイリア学園の襲撃というこの状況が異常だ。普通にデートをする暇なんてあるわけがない。
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