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嫉恋

第10章 戦士の休息




「ま、デートは程々にな。この間みたいなのは人前ですんなよ」
「デート……?」

花織は土門の言葉に恥ずかしそうに目を背けたが、風丸は怪訝そうに顔を顰めて土門の言葉を反芻する。どうやら未だに彼は土門の言葉を飲み込めていないらしい。まだまだ彼は恋愛的に鈍いのだろう。やれやれ、といった様子で土門は肩を竦める。

「だってカップルで遊園地を散策するなんて、デート以外の何物でもないだろ?」

はっきりストレートに土門が言葉を口にする。それは花織が考えていた事とほぼ相違なかった。花織は風丸とデートをしてみたかったのだ。今までふたりきりになることは多くてもデートなどはしてみたことが無かった。だからこそ、デートに憧れていた花織は改めて風丸に一緒に行動することを願い出たのだった。

「……」

土門の言葉にようやく風丸は花織の意図を飲み込めたのか、僅かに顔を赤くした。花織は咎めるような目をして土門を見る。その瞳は余計な事を言わなくてもいいのに、と言いたげだ。だがすぐにその瞳は不思議そうに土門を見つめる物に変わる。いつも土門と一緒に居るはずの一之瀬の姿が見当たらないのだ。

「そ、そういえば一之瀬くんは?一緒に回るんじゃないの?」
「ん?ああ、一之瀬か。いつの間にかフラッとどっかに行っちゃったんだよなー。意外と自分勝手なんだよ、アイツ」

細い腰に手を当てて、土門が困ったようにそう言った。しかしすぐに笑顔を取り戻すとポンポンと花織の肩を叩く。

「まあ、精々楽しんで来いよ。おふたりさん」

楽しそうな様子で土門が待たせていた鬼道と一緒に探索に出発していった。残されたふたりの間には何となく緊張の様なものがあった。花織の顔を見ない様にして風丸が花織の手を取る。そして行こう、とだけ呟いて花織の手を引き、エイリア学園アジト捜索に出発した。

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