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嫉恋

第1章 脅威の侵略者




「バカ、本当にバカだよ。何でそんなにバカ正直に答えちゃうわけ?花織、君って天然とかじゃなくて本気で素直だからたちが悪いよ」
「……ごめん」

申し訳なさそうに、それでもマックスの様子が可笑しいのか花織が微苦笑を漏らしながら謝る。マックスはもういいよ、と再びツンとした様子を見せて花織から目を逸らした。

「ちゃんと、今度こそ自分で伝えるんなら……。もういいよ、何だってさ」

やはり彼は素直ではない。本当はもうとっくに花織を許しているくせに意地を張った態度をしている。そのくせ、花織と彼を心配するような口振りをする。

「伝えるよ、自分でちゃんと」
「……なら、いいんだ。半田がどうするかは知らないけど、僕はそれで」
「何でそこで俺を投げるんだよ」

今までマックスの剣幕に口を挟むことが出来なかった半田が思わず突っ込みを入れた。彼は呆れたように肩をすくめると花織を手招きして自分のベッドまで呼び寄せる。花織が彼の元へ歩み寄れば、彼はそっと左手を差し出した。彼は微笑んでいる、優しく何も無かったかのように。

「花織、これからいろいろあるだろうけど、がんばれよ。何かあったら俺たちを頼ってくれて構わないから。……俺は絶対花織の味方だから」
「……。ありがとう、半田くん」

差し出された手に花織は自分の手を重ねた。彼の言葉は嬉しい、だがこの彼は一緒にキャラバンで出発できないのだ。そう思うと寂しい気もしてしまう。彼の右肩に填められたギプスが痛々しく思える。

「よく言うよ、半端のくせに。僕のご機嫌取りのために一緒になって花織を避けてたのは君だろ」
「う……」

半田はマックスの言葉に気まずげな表情を見せた。マックスはしれっとした表情で呟きつつ、自分の足下に掛けている布団を片手で器用に整えていた。それはお前がすぐに機嫌が悪くなるから……!と言い訳を始めるがマックスはそれを後目に花織に手を差し出した。花織は一瞬戸惑ったが、すぐに彼に手を差し出す。そうして先ほどの怒りはどこへやら、何ともない態度で彼は花織と握手を交わした。

「報告よろしく。それだけ」

にやり、と彼は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
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