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嫉恋

第1章 脅威の侵略者




花織はさらりと髪を揺らした。マックスは未だそっぽを向いたままだ。花織は毅然とした様子ではっきりと自分の主張を述べていく。

「それでもやっと、やっと答えが出たよ。マックスくん、半田くん……。私、どうやったって一郎太くんが大好きだから」
「花織……」

今の一言でドーナツに夢中になっていた一年生たちが振り返る。と同時に半田がぽつりと花織の名前をこぼした。その表情には何となく安堵のようなものが見られた。実際そうだった、彼は二人の中をひたすらに心配していた一人なのだから。

「今まで、答えを出すのに長く掛かっちゃったけど……。もうはっきりしたから、悩んだり揺らいだりしないから。だから……」
「あのさあ、謝る相手が違うんじゃないの」

耐えかねたようにマックスが声を上げた。そしてようやく花織を視界に入れ、彼女の姿を見据えた。いつになく真剣な目をしている。

「僕らは君の友達なんだから、君の悩みはいくらでも受け止めるよ。でもさあ、花織が謝るのって僕らじゃないよね。僕らは花織に迷惑を掛けられた事なんてないんだから。そこのところ、わかってるの?」

マックスのその言葉に花織は大きく目を見開いた。そしてふっと彼の素直じゃない真意をくみ取って柔らかく微笑む。

「……ありがとう。もちろん、誰に謝らなくちゃいけないかは分かってるよ。……でも、まず先にはっきりさせておきたかったんだ。今度は私から想いを打ち明けるんだって……。だってマックスくんと半田くんは私にとって大切な友達だから。私の悩みをずっと聞いてくれたふたりにまずは私の答えを知ってもらいたかったの。自分自身の答えを揺らがせないためにも」
「……バカ」

大きくため息をついたマックスがあきれた様子で呟いた。彼女の答えに苛立ったのかどうかは定かではないが、彼は花織に対して非難の言葉を口にした。
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