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嫉恋

第9章 精神の崩落




「一郎太くんを探してるの。土門くんと一之瀬くんは見なかった?」
「風丸?……んー、見てねえかな」
「俺も練習が終わってからは見てないよ」

二人とも思いだす様に目を伏せ、眉間に皺を寄せた。真剣に彼らは考えてくれていたようだが、彼の居場所は分からないらしい。本当に彼はどこへいったのだろう。

「そっか……、ありがとう。一緒に帰ろうと思って一郎太くんを探してるんだけど、どこにもいなくて」
「じゃあ、もし見かけたら花織ちゃんが探してたって声掛けとくな。俺らまだ学校にいるからさ」

花織がふっと表情を陰らせると土門がそういって協力する意を見せてくれた。一之瀬も頷く、どうやら彼も同様に協力してくれるらしい。花織はありがとうと言って彼らと別れた。だがそれにしてもどうして彼は見つからないのだろう?この敷地にある建物は修練場と地下の指令室を除いて工事中であるから、入れるところなどないはずだ。

そう思いながらきょろきょろとあたりを見回す。彼を探し始めてからもう15分は立つだろう。そう思いながら彼の姿を探した。そしてふと、自分の目に青が映った。キャラバンの陰?そういえばキャラバンの中は探していなかったかもしれない。

花織は駆けだしてキャラバンの陰を覗き込む。花織は安堵の息を吐く、探していた彼がそこにいた。キャラバンに背を預けてどうも深刻そうに悩んでいるように見える。何かあったのだろうか、花織は彼の元へと歩み寄りながら彼の名前を呼んだ。

「一郎太くん」
「……花織か、片づけ終わったのか?」

花織が風丸に声を掛けると、彼は一瞬驚いたように面を上げたが、いつものように落ち着いた様子で花織を見つめた。花織にはそうやって自分を見つめる彼がどこか寂しく悲しげなような気がして花織の心はきゅっと摘まれるようだった。

「……どうしたの、こんなところで。何かあった?」
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