第9章 精神の崩落
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その日の夕暮れ。花織は練習の道具を片づけ、帰路に付こうとしていた。染岡の怪我は彼らの想像よりも酷く、半田たちと同じ稲妻総合病院に入院が決まった。染岡が抜けることにより選手たち、特に雷門出身の一年生には影響が大きいようだ。染岡は雷門の切り込み隊長とも呼べる人物で、フットボールフロンティアでは豪炎寺とエイリア学園との戦いでは吹雪と共に雷門のストライカーとして重要な人物であった。そしてチームの精神的支柱としても男気溢れる彼はチームの兄貴としても慕われる人材だったのに。
花織は小さくため息をつく。今日の、染岡が抜けてからの練習での風丸は何か怒っているような、落ち込んでいるような……、とにかくいつも通りの彼らしくなかった。いったいどうしたのだろうか、花織は風丸が心配でならなかった。最近の風丸は花織と別れる前の風丸と違うような気がした。
もちろん花織の中で風丸を大切に思っている気持ち、彼を想い慕う心に一点の曇りすらない。でも以前の彼の落ち着きがすべて焦りに変わってしまっていて、彼らしくないような気がしてしまう。花織が好いている彼ではないような、そんな気が。
そういえば彼はどこだろう?練習が終わってから姿を見ない。花織は雷門中の中を探して回る。一緒に帰る約束はしているのだから、彼がその約束を破って帰ることは考えにくい。きっとこの敷地のどこかにいるのだろう。
「ん?花織ちゃん、どうしたの?」
一之瀬と談笑していた土門が、花織がそこらをうろうろしているのが気になったのか、花織に声を掛けた。花織は足を止めて彼の方を見る。