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嫉恋

第8章 届かない場所




「き……、鬼道さんがそんな浅はかな考えで雷門に来るはずがありません!鬼道さんは帝国の皆さんの雪辱を晴らそうとして……」
「黙れ!!お前に何がわかるっ!!」

佐久間が憤慨した様子で花織に怒鳴った。花織はその剣幕にびくりと肩を揺らし、怯んだ。佐久間は今にも花織に殴り掛からんばかりの勢いで花織に言葉をぶつけた。

「敗北の屈辱を味わったことの無い陸上部員に何がわかる!?自分の力で勝利を得たことの無いお前なんかに、無残に負け見捨てられた俺たちの気持ちが分かるもんか!!」
「王者の地位から引き摺り下ろされた俺たちサッカー部の気持ちなど、一人悠々自適に陸上をしていたお前なぞには分からないだろう」
「……っ」

花織は何も言えずに俯き、視線を外した。わからない、だろう。花織に彼らの心情を完璧に悟ることなどできない。彼らの言うとおり、確かに花織は彼らの立場に立ったことは無いし、彼らの何を知っているというわけでもない。

「やめろ!花織は関係ないだろう!」
「あーあ、可哀想になあ。信頼してたキャプテンは大好きな女のケツ追っかけて、さっさと帝国を捨てちまうんだもんなあ?」

鬼道が花織を庇う言葉を発すれば、それに被せるように不動が花織を一瞥しながら嗤った。佐久間と源田が再び鬼道に視線を戻した。そして鬼道に恨みの言葉をつらつらと連ねる。

「あの時……。俺たちが病院のベッドの上でどれだけ苦しい思いをしたか、お前には分からないさ」
「動けないベッドの上で俺たちがどんな思いだったか……」
「雷門イレブンに入り、勝利やすべてを得たお前には絶対分からない」
「お前には勝利の喜びがあったろうが、俺たちには敗北の屈辱しかなかったんだよ」

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