第1章 脅威の侵略者
***
解散後、花織は支度のため自宅へと一度帰宅した。昨日は雷門中学の宇宙人襲撃をTVニュースで知り、帰宅していた父母は大層花織のことを心配していて、花織が帰宅するや安堵の表情をしていた。そして今日も、父母は家で学校から呼び出しを受けた花織の帰りを宅で待っていた。
花織は帰宅早々、父母にこれからしばらくサッカー部に着いて宇宙人を倒す旅に出ることを伝えた。両親は驚き、花織を引き留めようと説得したが花織は揺らぐことはなかった。結局数十分の押し問答の末、危ないことはしない、無理なことは絶対にしない、という条件の下でキャラバンに乗せてもらうことを許してもらった。
両親からの許可が下りると花織は急いで旅に出る支度を始めた。お金、必要な着替えと下着類、ヘアゴムや櫛などの身だしなみ用品。自分用のタオルやその他生活用品はもちろんのことテーピングなどのスポーツ用品、ソーイングセットなど。もしかして必要になるかも知れないものはできるだけ詰め込んだ。
荷物は肩掛けの旅行鞄ひとつ分に収まった。それを持って両親への挨拶もそこそこに家を飛び出す。花織は少し急いでいた。集合時間まではあと2時間ほどあるが、花織は寄り道しなければならない所があったのだ。
重い荷物に顔をしかめながらも、自慢の俊足で道を急ぐ。途中少し寄り道をして雷門中学を通り過ぎると、たどり着いたのは稲妻総合病院だった。先日まで、佐久間と源田が入院していた病院である。
宇宙人との戦いで傷ついた選手たちが入院している病院だ。花織は鞄の肩紐を握る。そして息を整え、静かに病院内へと歩を進めた。病院内はいつにもなく騒々しい。宇宙人の襲撃のせいで怪我人が後を絶たず、人が絶え間なく押し掛けているのだ。
「……」
酷い、心からそう思う。どうして宇宙人はサッカーで人を傷つけるのだろうか。花織は悲しい気持ちにならずにはいられなかった。サッカーはそんなスポーツではないはずなのに、宇宙人のサッカーは昔の帝国学園のサッカーが思い出されて胸が痛いのだ。