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嫉恋

第7章 瞳に映る君





「サッカー部なら奥の道場みたいだよ」

ふんわりとした声が彼らの背後から響く。選手たちが声の主を振り返ってみると、吹雪が両脇を女の子に囲まれどうもありがとう、と礼を言っている。女の子たちの頬は赤く、満更でもなさそうな感じだ。

「また何かあったらよろしくね」
「はーい!」

吹雪の言葉に快く返事をした女の子の言葉の語尾にはハートでも付きそうな勢いだった。他選手たちはあきれ返る。花織もその一人だった。彼に対しての以前感じた印象は当たりだったようだ。女の子にはきっとモテるのだろう。そういえばさっき、京都に着いたばかりの時も地元の女の子に絡まれていたような気がする。

「私、一郎太くんが彼氏でよかった……」

花織が風丸の隣で、周りに聞こえないような声の大きさで呟いた。風丸はえ?と言って花織の方を見る。花織は困った様子で笑い、その理由を口にした。

「だって、彼氏があんな風に知らない女の子にデレデレしてたら嫌だもの」

風丸はどちらかといえば女の子に対して奥手な方であるだろう。花織に対してが例外なだけで。だからこそ、吹雪のように他の女の子に声を掛けたりしないから嫉妬しなくていいと、彼女は言いたいようであった。つまるところ、花織もヤキモチ焼きなので風丸には異性とあまり話してほしくないのである。だったら花織も自重すべきだ、と風丸は思ったりもするのだが、キャラバン内の男女比を考えると、そんなことを言うのは無謀だともう何度目になるかわからない言葉を喉の奥に引っ込めるのであった。

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