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嫉恋

第7章 瞳に映る君




締めの言葉らしきものを土門が告げる。どうやらもうこれで風丸に見せたいものは無いようだった。風丸は何と言うべきかわからずに口籠る。本心では写真を消してしまうというの惜しい気がする。だが、土門の携帯にそれを残しておくというのはどうしても嫌だった。何と言ったものか、俺に送ってその後消せ、というのは少し図々しいかもしれない。

「そうだね、いらないと思う」

そこへ、ここに居るメンバーにはあり得ない女の子の高い声が分け入った。ここに居た全員が驚いてその声の主を振り返る。そこには今まで散々話題に挙げていた彼女、花織が笑顔を浮かべてそこにいた。

「花織ちゃん、い、いつからそこに……」
「ご主人様の下りからかな……。土門くん、そんな写真持ってたんだ?絶対に消せ、とは言わないけど、悪用はしないでね」

こんな話をしていたのに上機嫌そうな花織は、悪戯っぽく笑みを浮かべる。そして自分の恋人の名を呼んで手招きをした。風丸が複雑そうな表情をして花織の元へ行くと花織は彼に優しく微笑みかけた。

「いらないと思うけど、もしそんな写真が入り用なら言ってね?一郎太君の頼みならいつでもあのくらいできるから」
「……っ」

花織のある種大胆な発言に風丸は言葉を見失って声を詰まらせる。花織はくすくす笑いながら、それじゃあおやすみなさいと言ってキャラバンを降りて行った。後には真っ赤になった風丸とふたりの関係を見せつけられた土門らが残る。

「バカップル……」

冷めきったキャラバンの中で誰かが呟いた言葉を皮切りに、幸せ者め、愛されてるなー、ラブラブじゃんかというふたりの関係に呆れるような言葉が飛び交った。

そして、この話が完全に終結したその数日後、風丸の携帯に土門からメイド服姿の花織の写真が送られてきたのは、また別の話である。
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