第7章 瞳に映る君
土門が吹雪の問いかけに説明すれば、一之瀬が少し期待するような声で土門に言葉を掛ける。土門はその意図を汲み携帯を弄ると、集まっているメンバーの前に画像を差し出した。
「もちろんあるぜ、ほら」
次に画面に映っていたのはマネージャー四人の集合写真だった。右から花織、春奈、夏未、秋の順に並びそれぞれがポーズをとっている。最も、夏未は恥ずかしそうに唇を噛みしめ、スカートを握り締めていただけであったが。各々、目的の人物を写真の中に見つけ、男子たちは歓声を上げる。
「へえ、みんな可愛いね」
「秋は結構ノリノリだったんだね」
「花織も春奈も愛らしいな」
「ははは……」
好き勝手に述べられる感想に土門が苦笑いをする。ひとりだけ普段なら絶対に言わないであろうことを呟いていたが、気にしてしまうと負けなのだろう。風丸はとにかく集合写真の、さっきとは打って変わって楽しそうな溌剌とした笑顔を浮かべる花織の姿を胸に収める。そして土門に向かって不服そうな表情を向けた。
「集合写真はともかく、花織の写真は消してくれないか」
花織の写真を見られたことは収穫だ。だが、それが自分以外の男の携帯に入っている、という事実がどうしても気に入らない。こうして公の眼に触れたことも。だからこそ、もうこんなことが無いように一刻も早く一枚目の写真は消してほしい。
「あれ、送ってもらわなくていいの?」
「……っ、いいよ、別に」
単純に湧いて出てきた、とでも言うような質問を吹雪が風丸に掛ける。風丸は少し惜しいような気がしてしまったが、それでもそっぽを無き、いらないという姿勢を貫いた。吹雪はそんな風丸の様子を見ながらクス、と笑みを零す。