第7章 瞳に映る君
「……!?」
一瞬、それが何だかわからなかったがそれを見て風丸は目を白黒させた。土門の携帯の画面に映ったそれ。それは紛れもなく、メイド服を身に纏い、微笑む花織の姿だった。その姿からは微笑みかける相手に向ける優しさや、どこか哀しげな様子が見え隠れしている。
「……っ、何だその写真!!どうして花織の!」
風丸は動揺して思わず声を荒げる。何故、土門の携帯に花織のそんな写真が?花織と土門はそんな関係だったのか?いやいやいや……、そんなはずはない。でもだったらどうして?
「へへ、隠し撮りって奴。……ほらあの時のだって、秋葉名戸の試合」
「え、あ……」
土門の言葉にようやく合点がいく。風丸はひとまず胸を撫で下ろした。土門が掲げるその写真は地区予選準決勝、秋葉名戸との試合の時の写真だろう。あの時、マネージャーはメイド服の着用が義務として言い渡されていた。その時の花織の写真。
普段の彼女も可愛いが、メイド服を着てみると何だかいつもとは違う印象を感じたことを覚えている。
「俺に送ってきた奴だな」
「はあ!?」
ひょっこり、花織の名前に釣られたらしい鬼道が、風丸の背後から顔を出し、土門の携帯の写真を見ながら呟いた。風丸はそれにも驚いて振り返る。送ってきた……?ということは鬼道はこの写真を見たことがあるうえ、所持しているということだろうか?
「わあ、花織さんだね。可愛いなあ。いつ撮ったの?」
風丸が声を荒げるからだろうか、わらわらとギャラリーが集まり始め、今度は吹雪が脇から顔を出した。吹雪は携帯の写真を覗き込み、いつものように柔らかい笑顔を浮かべている。きっと常時の風丸なら、見るなと言ったところだが、今は完全に頭が回っていないようだった。呆然、という言葉が似合うように携帯の画面を凝視している。
「地区予選の時だな、秋葉の試合でマネージャーが着てたんだよ」
「へえ、じゃあ」