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嫉恋

第6章 煌めきのひととき


***

翌日の朝、花織は少し遅れて練習に出ようとしていた。朝食の片づけが遅れてしまったのだ。急いで準備をしてグラウンドへと向かう。今日も今日とて外は寒い。今日はスノーボードではなく、グラウンドでの久々の練習だ。どの程度スピードがアップしているか、自身楽しみなところである。

花織は冷たい風の中を駆けた。こんなところではなくて、早くフィールドを走りたい。彼の隣を、走っていたいと思う。

「ねえ」

足早に道を急いでいると唐突に声を掛けられた。花織はその場に立ち止まって声の主を振り返る。見覚えの無い、同年代の男の子だった。

「?」
「君も、雷門イレブンのひとり?」

誰だろう、花織は顔を顰める。身長は風丸と同じくらいだろう。赤い髪に整った顔立ち、暖かそうなダウンジャケットを羽織っている。少し顔色が悪いような気もした。

「私は雷門イレブンのマネージャーです。…………、白恋中の方ですか?」

得体のしれない人物に花織は何となく警戒心を露わにしつつ、質問をした。いや、と少年は赤い髪を揺らして花織の質問に答える。

「違うよ。でも僕は円堂君と友達だから、君たちにも興味があってね」
「キャプテンの、ご友人……?」

花織はその少年を見つめた。白恋中の生徒ではない、ということは別の中学の生徒だろうか。円堂の友人だというのだから、この少年自身もサッカーをしている可能性が高いだろう。円堂の友人、というなら風丸はこの人のことを知っているだろうか。花織はそんなことを思考する。

「うん。……君は」

じり、と少年が花織の方へ歩み寄る。花織は反射的に少し身体を引いた。ふっと彼の形の良い唇が笑う。

「サッカーが好き?」
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