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嫉恋

第6章 煌めきのひととき




風になるため、そういえば円堂も風丸も昨日はあまりスノーボードの練習が上手くいってなかった。それに昨晩も風丸はスピードの足りなさに悩んでいた。もしかしたら円堂が彼に提案してくれたのかもしれない。成長するには特訓あるのみなのだから。

「頑張ってくださいね。風になるために、エイリア学園に勝つためにも」
「おう!行こうぜ、風丸」

花織の応援に円堂がこぶしを上げる。円堂はすぐさまゲレンデに向かって歩き出そうとしたが、風丸は歩を進めなかった。花織の方に視線を寄せたまま、円堂に告げる。

「先行っててくれ、すぐ行くから」
「?うん」

円堂は不思議そうな顔をしていたが、花織と風丸が付き合っているかどうかはともかく、仲良くしていることを知っている為か何も言わなかった。昨日のように風丸と花織だけが取り残される。円堂がいなくなると風丸は花織と距離を詰めた。

「花織」
「一郎太くん……」

どちらともなく照れくさそうに笑う。以前は当たり前だったのにこうやって向き合っていることが、何だかとてもくすぐったい様な気がしてしまう。それにこの光景、以前にもあったような気がした。

「何か、変な感じだね。……前はずっと一緒に居たのに」
「ああ、凄く。でも……また傍にいてくれるんだろ?」

風丸がいつもの大人びた微笑を浮かべて花織の髪に触れる。彼女の髪に触れるのも久しぶりだと思った。花織が以前髪を切ってから随分髪が伸びたと思う。自分と御揃いにしたいから伸ばすのだ、と言ってくれた花織。

沈黙が2人を包む。お互い見つめ合って逸らすことは無かった。今まですれ違っていた時間を埋めるかのごとく見つめ合っていた。やっぱり睫毛が長い、風丸はここの所間近で見ていなかった花織の顔を見つめる。そのうち花織がくすりと笑った。
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