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嫉恋

第5章 心の駆け引き




彼らしくない、といえるだろう。それほど大胆な束縛宣言であった。彼の頭には数人の仲間の顔が思い浮かんでいた。ライバルであった鬼道、妙に花織に親しげな一之瀬と土門、そして花織に馴れ馴れしく接する吹雪。その誰にも花織の心を渡したくない、触れさせたくない。そう思ってしまう。

花織はこぶしを握った。寸刻も、迷いはしなかった。

「それでもいい、一郎太くんの傍にいられるなら」

その言葉は一種の契約であった。風丸は花織に向き直り、花織を見据える。花織は胸がざわめくのを感じた。

初めてだった、彼を怖いと思うのは。どことなくギラギラしたような、瞳。月明かりで妙に煌めくせいだろうか、彼の瞳はとても嗜虐的に思えた。

「だったら、証明してくれないか?俺のことだけを見てくれるって」
「……」

彼らしくない彼に、花織が少し動揺を見せる。すると風丸はクスッと笑みを零し、冗談だよと花織に笑んで見せた。その仕草はいつも通りの風丸のもので、花織は少し安堵する。彼は花織の身体をそっと抱き寄せ、花織の首筋に顔を埋めながら囁く。

「好きだ。……花織がまたこんな俺を好きだって言ってくれて、嬉しいよ」
「……一郎太くん」
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