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嫉恋

第1章 脅威の侵略者




つう、と花織の瞳から涙が零れ落ちる。刹那、風丸は思い出した、"部室に全国優勝のトロフィー、飾ってやろうぜ!"そういったのは確かに自分であったこと。そして当時は分からなかったが、その言葉に対して花織が嬉しそうに言葉を掛けてくれたこと。今になって分かった、自分が何気なく言った言葉を彼女がどれだけ大切にしてくれていたのか。

半田からの説得を受けたからだろうか、花織の好意を素直に受け止めることができる。

「悔しい……、すごく。サッカー部の歴史を意味の分からない宇宙人なんかに壊されて」

風丸が受け止める花織の言葉は、花織が思うそのままだった。花織は今でこそサッカー部に愛着があるものの、以前まではサッカーにすら彼女は興味を持てなかった。鬼道が好きなサッカーを花織は嫌っていたからだ。だが、風丸と出会ってそれは変わった。

花織にとって陸上の始まりが鬼道であるならば、サッカーの始まりは風丸なのだ。

彼女がサッカーに置いて喜び、悲しみ、そして悔やむすべては風丸が基盤にあった。その真意を知るのは、彼女自身のほかはないだろう。あの言葉も、風丸の言葉だったから大切にしていたのだ。

「花織……」

心底悔しそうに嫌いだったはずのサッカーの為に涙を流す花織。風丸は花織の悔しさに共感し、彼女を慰めようと手を伸ばす。彼女のその心を自分が晴らしたいと思ったのだ。別れていたってそんなことは関係ないだろう、風丸はそう思った。

だがそれは、すぐさま円堂の声に留められた。これから行くべき場所が決まったのだ。傘美野中学……、現在そこに宇宙人が現れ、勝負を申し込んでいるのらしい。これから全員で傘美野の助っ人に行くのだ。

「……」

風丸は花織を見つつ、伸ばしかけた手をそっと元に戻した。今はそんな場合ではない、彼女と十分に話し合うのは宇宙人を倒してからでも遅くないだろう。

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