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嫉恋

第5章 心の駆け引き



***

「なあ、一之瀬」
「どうしたんだ?土門、そんなに声を潜めて」

もぐもぐと少なく貧相な食事を咀嚼しながら一之瀬がちらりと声を掛けてきた土門に視線を送った。土門はそれでもやはり小声で周りには会話が聞こえない様にしながら、ぼそぼそと話を続ける。

「花織ちゃんの競争率、高すぎると思わないか?見てみろよ、アレ」

ちら、と土門が花織の方へと視線を送って見せる。一之瀬は土門の声と一緒に花織を探した。花織は一之瀬の向かいの隣から右に三つ進んだ席だ、そして吹雪の真正面に座っているらしい。吹雪が人の好い笑みを浮かべながら花織に話しかけているのがこの位置からでもよくわかる。対して花織は自分たちと居る時よりも控えめに思えた。

鬼道や風丸はどうしたのだろうと反対側を見てみれば、彼らは円堂の周りにいた。しかしそれでも時折花織の方へ視線を送っているのがよくわかる。どうやら吹雪と何を話しているのかが気になるらしい。

「花織っていつ吹雪と仲良くなったんだろう」
「さあねえ。でも声を掛けたのは吹雪だぜ、一緒に座らないかって声掛けてたの見たし」
「ふうん」

周囲に悟られないよう、スムーズに食事をしながら土門と一之瀬は情報を交換する。しかしこの状況は中々まずいのではないだろうかと双方思っていた。何しろ、鬼道はともかく風丸の視線の痛さが尋常じゃない。それほど気になるのなら早く寄りを戻せばいいだろうに。

「ねえ、花織さんはどんな人が好みなの?」
「え?」
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