第13章 浅緋(あさあけ)、君に口づける ✳︎✳︎
「おはよう」
「……いつから目を覚ましていたんですか」
「君が目を覚ます少し前から」
俺がそう言うと、ますますこちらを睨んでくる。
申し訳ないが、睨んでも全く怖くない。むしろ君の可愛さが増すだけだぞ。
彼女の左頬を右掌で、そっと包む。小づくりな顔だ。
「かわいいと言うのは、今の君のような顔を言うのだが?」
「……からかわないでください」
「からかってなどないぞ」
自分の体を起こし、彼女を見下ろすようにして跨る。それから先程包んでいた左頬をゆっくりと撫でた。滑らかで触り心地がよい。
「本当の事だ。君はとてもかわいい」
目の前の恋人の顔がほんのり赤く色づく。これに気分が良くなった俺は瞼と鼻、両頬に口付けを落とした。
「何度伝えても足りないぐらいにな」
そして七瀬の唇を再度、柔らかく奪う。
すると、細く引き締まった両腕が俺の首に回される。これが先に進めても良い、と言う彼女からの了承の合図。
ちう、と啄む口付けを数回繰り返す。
そのまま左頬に当てていた掌を顎、鎖骨……と滑らせて行き、その下にある柔らかな2つの膨らみをゆっくりと揉みしだいて、形を変化させる。
この自分の掌にちょうどおさまる大きさ。愛おしいな、とつくづく思う。
「あん……もう朝だから、そこはちょっと」
七瀬が右手で俺の手首をやんわりと掴んだ。
「ここは嫌そうではないが」
手首を掴まれた事は全く気にせず、2つの愛らしい蕾を優しくキュ……とつまむと七瀬の体が「んっ」と、震える。
君はこうされるのがとても好きだろう?こうするのも確か…好みであったな。俺は先端の蕾を親指と人差し指で、ゆっくりとこすり合わせてみた。
「んぅ……きもち……いや、ダメです!」
蕩けそうになっている顔を何とか押し殺した彼女。それからまた少し、俺の手首を掴む手に力を入れられた。