第12章 婚星(よばいぼし)、君を抱きしめる ✳︎✳︎
「だが七瀬、俺は君が欲しい。心も体も全て……委ねてくれないか?」
「はい……」
こくんと私は首を縦に振り、彼の両頬をそっと包む。滑らかな肌にちう、と口付けた。
「あなたで私をいっぱいにして下さい」
「そんなに煽るような事を言うな。どうなっても知らんぞ……」
コツン、と杏寿郎さんのおでこが私にゆっくりと当たった。
あ……これ、好きだな。
彼の気持ちがおでこを通じて、流れこんでくるみたい。ふふっと笑っていると、急に温もりが遠のく。え?もう終わりなの…かな。
「そう寂しそうな顔をするな。これからいくらでもやってやる。だがその前に —— 俺で君をいっぱいにしないとな」
彼はすっかり剃りたっている男根を自分で少ししごくと、私の蜜壺にズズ……っと侵入させて来た。
たっぷりと潤っている自分の膣壁。
その為彼は途中で止まる事なく、奥までスルッと入って来た。先端が膣奥にトン、と当たった瞬間に口から声が漏れる。
「……やっと1つになれたな、動くぞ」
パン、パン、パン……
お互いの結合部が当たる音が部屋に響き、布団も二人が動く度に擦れていく。
“気持ち良い”
それしか言う言葉がないくらい、本当に心地が良かったのだ。
私の体と彼の体が触れ合っている場所から、満たされていくようだ。
一つに繋がっている結合部から、彼の熱く昂る炎に全てを奪われ、体と心が焼きつくされてしまいそうにもなる。
「大好きです、杏寿郎さん」
「俺も君が好きだ………七瀬が大好きだ」
「一緒に……きょう、じゅ、さ……」
「うっ、はぁ…!!」
頭上から彼のとても色っぽい吐息が聞こえたかと思うと、勢いよく男根が抜かれた。
すると、私のお腹の上には白濁が複数に分けて吐き出される。