第12章 婚星(よばいぼし)、君を抱きしめる ✳︎✳︎
「あ、ん……や、ダメ……」
「ん、七瀬は毎回……そう言うが……はぁ、本当にダメなわけでは……ないのだろう?」
「言わないで、くだ……ひゃぁ、やん!」
強く強く蜜を吸われてしまい、私は一際大きく体をしならせた。
杏寿郎さんは蜜壺から舌を外すと、今度は大きく長い指をつぷ、と侵入させて来る。そして中を探るように、二指がゆっくりゆっくりと動く。
「うむ、少し締まってきたな、七瀬は舌より指先の方が好みか?」
そんなの……聞かないでほしい。
「七瀬、教えてくれ」
蜜壺の中に指を入れられたまま、ゆっくりと彼の空いている左手が背中を起こしてくれた。
ん……起きたら刺激されている場所が変わって……あ、そこは!
「また締まった……七瀬、どうして欲しいか言ってくれないと俺はわからないぞ?」
嘘だ。
どう動かしたら良いかなんて、きっと彼はわかっている。
「杏寿郎さんは……本当に意地悪です。どうしたら良いかなんてわかっ、あっ……ゃ」
私が抗議している間に、ぐるりと膣の中で指を動かされた。
「仕方ないだろう。俺は君の口から直接聞きたいんだ……この可愛らしい唇からな」
つつ……と親指でなぞった後、再度彼の唇が私のそれにゆっくりと当てられる。
口の中の気持ち良い場所を散々にまさぐられつつ、指が入っている蜜壺も同時に攻められた。
「んっ、あっ……両方なんて……そんな……やっ!」
ダメ、もう果てそう……。気持ち良すぎる。つー……と涙が両目尻から、一雫ずつ流れた。
「あっ、もう!」
パシャッと、下の入り口からとろりとした愛液が出て来た。
私が涙を拭っていると、杏寿郎さんが「すまんな」と言いながら両瞼に口付けをくれる。