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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第46章 緋星(あけぼし)喰われしその時に、心炎で天蠍を衝け ✴︎✴︎



ポン、と七瀬の頭に大きな右手が乗る。

「まだ五日あるぞ」

「後五日しかないんですよ……?」

少し不安げな表情をしながら顔を上げたせいだろう。杏寿郎が七瀬の頭から左頬に掌を滑らせ、ふわりと包んだ。

「後五日もある。きっと手立ては見つかる! 大丈夫だ」

彼女瞳を真っ直ぐに見つめる日輪の双眸には、迷いなど全く感じられない。

「はい、ありがとうございます」

「うむ!」

柔らかく撫でた杏寿郎の掌に自分の左手を重ね、七瀬は目を閉じる。数秒そうした後、目を開けた。

「血鬼術を解く術(すべ)はまだわかりませんけど、杏寿郎さんとの連携技は思いつきましたよ。引き続き稽古をお願い出来ますか?」

「ほう、面白そうだな」

「せっかく同じ呼吸を使うので、何か一緒に出来たら良いなあって以前から思ってたんです」

「では早速取り組んでみよう」



「壱ノ型・改 不知火・連」

「弐ノ型・昇り炎天」

将門塚の周りをぐるっと囲むように配置されている松明。杏寿郎が炎の呼吸を使用し、一つずつ明かりを灯していく。

左右に一つずつ薙ぐ炎、時計回りに弧を描く炎。それから参ノ型、肆ノ型と続き——


「伍ノ型・炎虎」

「伍ノ型・改 炎虎・番(つがい)」

「陸ノ型 ・心炎突輪」

「陸ノ型・改 心炎突輪・散(さん)」


大きな紅蓮の虎、双頭の紅蓮の虎、一直線に向かう刺突、五つの刺突。漆ノ型、捌ノ型とその後も続き、最後はこの型で締める。


「玖ノ型・奥義 —— 煉獄」

暗い夜でも夜明けが来たかのような明るさの炎の龍。十二個目の松明に明かりを灯すと、それらが時刻を表す時計のようにも見えた。

日輪刀を一振りし、静かに納刀の所作をした炎柱は、姿勢を正して将門塚の入り口の正面に立ち、一礼をする。

ふう、と一つ深呼吸をした彼は七瀬、炭治郎、義勇の元にやって来て笑顔を見せた。

「これで準備は整った。石室内に向かうとしよう」

—— いよいよだ。

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