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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第46章 緋星(あけぼし)喰われしその時に、心炎で天蠍を衝け ✴︎✴︎



「む、何故だ?」

「はい。私は女なのでやっぱり……奇稲田姫(くしなだひめ)が良いです。もちろん須佐之男命(スサノオノミコト)も好きですけど…」

「そうか……では姫君。お手を」

「え……?」

杏寿郎の口元が弧を描いたかと思うと、七瀬の左手の甲に彼の唇が優しく当たる。
ここは夕方の時間が訪れると、丁度蠍の焼き印が浮かび上がってくる場所である。


「まじないだ。上手く事が運ぶように」

「ありがとうございます……必ずやり遂げます」









——— その日の昼食後。七瀬は槇寿郎に居間へ呼ばれた。

「どうされたんですか?」

「いや、君に話しておかなければいけない事が出来た」

なんだろう…と疑問を浮かべながら座卓の前に腰掛け、彼女は槇寿郎と向き合う。

「千寿郎の事だが……」

「はい……」

「日輪刀の色が変わらない事がはっきりした。よって七瀬さん。今後は君が正式に杏寿郎の後継と言う事になる」

「そう……ですか……」

「槇寿郎さん」

「どうした?」

「申し訳ありません。私、柱になると言う考えは全くありません。想像出来ないんです……」

「そうか。しかし、君もわかっていると思うが鬼殺隊に所属している限り、生と死は常に隣り合わせだ。杏寿郎もいつ何があるかわからんぞ」

「はい……そう……ですね」


改めて突きつけられた【継子は柱の後継】
これが七瀬の心を少しずつ少しずつ、蝕んでいく事になる。

一度衣服に付着してしまうと、洗っても洗ってもなかなか落ちにくい……血液の染みのように。


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