第35章 心炎八雲、今宵も甘えて混ざりあって ✳︎✳︎

「杏寿郎さん…」
「ん？」

自分を優しく見下ろしてくれる二つの日輪の目元に、それぞれ口付けを贈る。

「……大好き」
「困ったな」
「甘えてくる君がたまらなくかわいい…いいか？」
「はい…」


彼が眉を下げて、顔を柔らかく綻ばせる。この表情も好きだな。
杏寿郎さんのあたたかな唇に私は再度、口付けを贈った——



「あ…」
「ほら、入ったぞ」

質量が大きい彼の昂りを下から受け止めると、私の下腹部がきゅう…と締まる。甘くて幸せな瞬間だ。

「これだけで、凄く気持ちいいです…あん」
グンっと奥を一度つかれた。


「俺もだ。こうするともっと気持ちよくなる」
「んぅ……」

彼と私の唇が呼び合うように近づいた後、そっと重なり、両手も絡み合った。

啄む、絡める、歯列をなぞり合う。
一通りの流れが済むと、同じように繰り返されていく甘くて心地よい唇の繋がり。


「本当に幸せそうな顔をするな、君は」
私の左頬をゆっくりと大きな右手が包んだ。

「はい…大好きな人と繋がれる瞬間だから、幸せだなって心から思います」

「同じだ。俺も君と繋がるこの瞬間が本当に愛おしい」

彼の律動が始まると、また恋人の炎を締め付ける私の中。

「ん、もっと……強く、あぁ…！！」
「はあ……ここ、だろう？」

ズンと子宮に繋がる最奥を一度突かれると、悲鳴に近い声が口から出てしまう。ズン、ズン、と強い律動が体響く度に、息と声が自然とこぼれる。

苦しいけど、気持ちいい。そんな不思議な感覚を全身で味わっていると、もっともっと彼が欲しくなる。

「んっ、はぁ、きょ、じゅろ……さ……来て…」

——— 私の中にきて欲しい。
喉元まで出かかったけど、これは必死に抑えた。今はまだ口に出せないから。


「七瀬！…七瀬………くっ…はぁ…」

苦しげな息と一緒に熱い男根が勢いよく抜かれる。私のお腹に彼の熱を纏った白い欲が複数に分けて放たれた。