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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第4章 茜の炎が芽吹く時



正直な気持ちを発してしまった。お館様の御前では嘘など到底つけない故だ。

右横にいる沢渡少女から強い視線を感じる。
驚いた……だろうな。俺自身も自分の行動に戸惑っているのだから。

「やはりそうなんだね。では杏寿郎。七瀬の事をよろしくね」

にっこりと確信を持ってお館様は自分に伝えて来る。了承の返答をした俺は隣にいる彼女にこう言った。


「君とは縁がありそうだ。これからよろしく頼む」
「はい」

少し混乱しているようだが、笑顔で応えてくれた事に安心をする。
さて、継子か。

今までも「継子にしてほしい」と依頼され、何人かを指導した —— が、皆(みな)三日もしない内に来なくなると言う状態が続いている。

唯一最後まで稽古についてこれたのは現・恋柱である甘露寺蜜璃ただ一人だ。どうやら自分は指導をしている内に、厳しくしすぎてしまう傾向があるようだ。

これは弟・千寿郎の指摘によって気付かされた。
この少女は甘露寺と同じく柔らかい雰囲気だが、瞳には芯の強さを感じる。


「だが!女子と言えども、隊士は隊士。そこはわかっているだろうな?」

はっぱをかけるわけではないが、少し彼女の反応を見たかった為、そんな事が口からついて出た。すると ——


「覚悟は出来ています。よろしくお願いします」
「うむ!」


思った通り、意志が強い瞳と態度を見せてくれた。そしてペコリと頭を下げる彼女。
これは楽しみだな!口元に笑みが浮かんだのが自分でもわかる。


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