第21章 可愛い君、かわいいあなた ✳︎✳︎
はあ、と艶やかな声を浴室に響かせる七瀬がかわいくてたまらない。もっと聞かせてほしい。
「どうだ?」
「んぅ、言わないと、ダメです、か……?」
「ああ、言ってくれないと俺はわからないからな」
右の乳房からスッと掌を外し、今度は湿っている左頬を包んでこちらを向かせた。
いつも通りの触り心地の良さに、顔が綻ぶ。
彼女はすでにとろけた表情をしており、口が半分開いていた。
口付けたい。
誘われるように、桃色の唇へ己の唇をゆっくりとあてる。
気持ち良い。口付けをこうやってするだけで、心がホッとしてしまう。
優しく啄むように触れた後は、熱くなった舌を隙間に割り込むように差し込み、七瀬の口腔内に侵入だ。
ここもまた触れてやらねばな。
左胸の先端は変わらずに質量を増しており、二回程つまんだ後、丸い尖りに指を擦りつける。
「ん、…すごく……はあ、気持ち…良い…」
「七瀬…もっと……”いい”が……んっ、聞きたい…」
口付けがまた深くなると、舌同士の交わりも増える。どんどん固く熟す尖りに触れている指の速度をやや急ぎ足にすると、七瀬の口から出る声にまた甘さが増す。
「はあ、たまには」
顔だけではなく、彼女の体も自分の方に向ける。右手を掴み、上に向かってそそり立つ己の男根に触れさせてやると ——
びくりと七瀬の体が揺れた。
「優しく頼むぞ? 俺も君に気持ちよくして貰いたい」
それまで絶えず続けていた口付け。名残り惜しいが、一旦離す。
目の前に現れたのは、ボウッと焦点がやや定まらない焦茶の双眸だ。
「はい……」
目線を合わせると、既に赤く色づいている両頬が更に濃く染まる。
やはり愛いな。
彼女の手が男根をゆっくり包み始めたと同時に、そこから自分の手を離した。
己の手でしごく時とは全く違う感覚に、熱が集中していく。