第21章 可愛い君、かわいいあなた ✳︎✳︎

良い湯加減だ。
八岐大蛇を討伐してから一週間が経ったある日の事。今朝の稽古が終わり、汗を大量にかいたので湯浴みをしている。

髪も体も汚れを洗い流したので、気持ちもさっぱりと爽快だ。
本当に気持ちが良いな！


「ふう、気持ち良い……」

今自分が考えていた事を頃合いよく口に出したのは、先程まで共に稽古をしていた恋人だ。

短い髪の隙間からちらりと見えるうなじを確認すると、彼女を求める欲がふつふつと湧き上がって来る。
近づきたい。七瀬に触れたい。

後ろから両腕を回すと、小柄な彼女の体はたやすく自分の胸の中に収まってしまった。周りの湯がパシャン！と跳ねる。


「浴槽の中で君とこうして肌を触れ合わせるのは、新鮮だな」


彼女の右の耳元で囁くように伝えた後、掌を二つの膨らみの位置に当てる。うむ、今日も触り心地が良い。包むようにそこに触れると、弾力がある乳房はたやすく自分の掌の中へ収まってしまう。


「あ……ん…」

「良い反応だ」

彼女の体が少し跳ねると、周りの湯もちゃぽん、と跳ねる。
艶やかな声がもっと聞きたい俺は、二つの先端の尖りをゆっくりとつまんだ。

質量がグンと増すと同時に、七瀬が甘い声を口から発した。


「もぅ…ダメです…」

「ん？それは良いと言う事か？」

更に二回、三回と連続でつまんでやる。今度は少しだけ力を加えて、だ。


「…だから…杏寿郎さ…ダメ…あ、ん」

「…君はこうされるのが好きだろう？俺は”ダメ”ではなく……七瀬の”いい”が聞きたいのだが。ああ、また固くなったな」

つまむだけではなく中央部分を擦ってみると、一段と固くなる恋人の乳輪。好いた女子の素直な反応が本当に嬉しい。

俺は彼女の右耳に柔らかい口付けを、一つ落とした。