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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第19章 スサノオ・アマテラス・ツクヨミと大蛇(おろち) ✴︎




「七瀬!! 恐らく”技”だ!」

『杏寿郎さん……やっぱりそうですよね! 』


「伍ノ型・改!」

2つの蛇が再度、七瀬達へ向かってくる———


「 ——— 炎虎・番(えんこ・つがい) !!」

炎の継子は大きく刀を振りおろして、紅い虎の斬撃を放った。
ここまではいつもの伍ノ型だ。
しかし ”改” と言うからにはそれだけではない。


一匹だった虎は途中から双頭の蛇と同じように、頭が二つになり、ニ匹の虎はそれぞれが大きな口を開けて、蛇を飲み込もうとする。
そして、七瀬は帯皮(=ベルト)に下げていた水筒を蛇めがけて投げた。


蛇が酒の香りを捉えて、水筒もろとも飲み込む……と急に片方の蛇がくたっと頭を下げた。
効いたのか ———。



そして七瀬が放った二匹の燃える虎が、弱った二つの蛇を飲み込んでいく。

繋がっている為か、もう一つの蛇も動きが鈍っており、そのまま蛇達は二匹の虎に全てを喰われた。すると、残り六つの蛇も少し動きが緩やかになる。


「壱ノ型・改!」

『えっ? まさか、杏寿郎さんが?』

炎柱は足と腰を深く落とし、型を放つ体勢を取ると豪快だが狂いがない一撃を出した。


「不知火・連!」

『いつの間に………!』


驚く継子の目の前で師範が放ったのは、以前の特別稽古で。
それから先程、焔(ほむら)の前で杏寿郎が使った壱ノ型の改である。

そう、不知火の連撃だ。

今回も七瀬が以前放ったものよりも速く刀が左右に振られ、威力も二倍。いや、三倍はあるであろう斬撃が大蛇に向かって放たれた。


二つの炎の斬撃は六つの内、二つの蛇の頭を完全に焼き切り、やがてボロボロと崩れていく。


「凄い………」

やはり杏寿郎は柱である。師範である彼が放つと、完成度がグッと増していた。


「七瀬! 呆けている場合じゃないぞ! まだ後半分の蛇が残っている!」

「はい!!」


彼の言う通り、まだ半分倒しただけなのだ。


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