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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第19章 スサノオ・アマテラス・ツクヨミと大蛇(おろち) ✴︎




モワッと煙が晴れた先にあったのは。

一つの胴体から上に伸びているのはおどろおどろしい八つの頭。
そして下に伸びているのは、同じく八つの尾。
その全長は頭の先から尾の先まで、およそ十五メートルから二十メートル。


「大蛇が目覚めたか…」

杏寿郎は呼吸を整える。
すると八つの内、二匹の蛇が彼らに向かって、鋭い牙を見せながら近づいてくる。その四つの双眸はほおづきのように真っ赤だ。


「弐ノ型 ——— 昇り炎天!」

彼の炎刀から炎の円輪が放たれると、二匹の蛇の首が一瞬で焼け落ちた。これでボロボロと崩れていくはずだ。
しかし、千切れた二つの首がみるみる内に元通り形を戻していく。


「む!」
「え…どうして斬れないの??」

杏寿郎と七瀬はやや驚いた。
そうしている間に別方向から二匹の蛇が向かって来る。
咄嗟に呼吸を整え、放った型は———



「参ノ型」

七瀬は少し助走をつけ、高く跳躍する。


「——— 気炎万象!」

刀を持つ掌にいつも以上に力を込め、蛇の双頭に上段から茜色の刃を振り下ろした。先程と同じように、燃える炎が二つの頭を焼いていく………が、やはりまた完全に崩れずに再生してしまう。


「もう! どうして?? 」



「ヒノカミ神楽・灼骨炎陽」

「獣の呼吸・伍ノ牙」
「—— 狂い裂き!」

炭治郎が日輪を描くように刀をぐるりと振るうと、続けて伊之助が宙を舞い、二刀を振り、周囲を四方八方に斬りつける立体的な型を出した。

一旦は蛇の双頭は弱まって形を崩すのだけど、すぐに再生してしまう。


『………どういう事? 考えろ、考えろ…私と杏寿郎さんは「心」だった。善逸は”体”だった。そこをつかれた血鬼術……』


七瀬は必死で思案していた。
心……体………心……体………。もしかして!! 彼女は呼吸を再度整え、刀を中段に構える。





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