第19章 スサノオ・アマテラス・ツクヨミと大蛇(おろち) ✴︎
『ええー!どう言う事……。んん?目を閉じてる……起きてるんじゃないのかな? 』
「七瀬ちゃん、あいつはどうなった?」
目を閉じているけど、言葉は明確に話す。かっこいいじゃん! 善逸!!…と内心強く関心する七瀬だ。
「ああ、茶色の蛇ね。善逸が八連を放った後、術が私と杏寿郎さんのいる方向に向かって来たから、いまいま杏寿郎さんが相殺して……」
彼女は善逸に事実を伝えていたのだが、彼の後ろにある光景に心臓が口から飛び出しそうになるぐらい、驚いてしまう。
「え……蛇って……??」
「うぉっ! 四匹もいやがったのか!」
「どう言うこと? 俺達が相手していたのは二匹じゃなかったの?」
「煉獄さん、あれって……」
「大蛇、だろうな。尾の先の蛇と合わせると、丁度八つだ。間違いないだろう」
杏寿郎が日輪刀を握り直し、静かだが熱い闘気を足元からじわっ…と出していく。
七瀬、炭治郎、善逸、伊之助もそれにならい、各々が刀を握り直し、禰󠄀豆子も両手の爪を構えて戦闘態勢に入った。
「あーあ。結局四人じゃないと俺達って大した事ないねぇ」
「ふん、お前達と離れる事がようやく出来てせいせいしていたが……やむをえまい」
「ったく、冗談じゃねぇ。俺は自由にやりたかったのによ…」
「炎の柱に手ひどくやられたくせに、何を言う。小童」
「ああ?なんだと!おい……」
颯(はやて)と蛟(みずち)がそれぞれぼやくと、血気盛んな焔(ほむら)に対して、沃野(よくや)はいさめるように突っ込みを入れている。
「 ——結集」
四人の蛇鬼の声が揃うと、ボン!と大きな煙が神社内に湧き上がった。