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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第19章 スサノオ・アマテラス・ツクヨミと大蛇(おろち) ✴︎




素肌の上に錆色(さびいろ)の長袖の羽織を纏い、長い袴は黒一色。足元は草履を履いていた。髪の長さは肩にかかるか、かからないか。尾の先にある蛇の頭はどうにも地味だ。

その地味な…失礼。
朴訥とした茶色の鬼が放った術は、地面から土が盛り上がってくる所までは先程と変わらない。


しかし、その後は回転しながら七瀬と杏寿郎がいる場所に向かって来る。

「全集中・炎の呼吸 —— 」

七瀬が呼吸を整えている間に、隣で呼吸音が聞こえた。



「肆ノ型 —— 盛炎のうねり!」

緋色の炎刀から繰り出されるのは、巨大な渦状の炎の壁。
炎柱が素早く型を出し、蛇の血鬼術を紅蓮の炎で完全に焼き切る。

七瀬の横にいたはずの彼は、彼女の目の前に移動しており、そこにあったのは大きくて逞しい背中だ。


「煉獄さん!七瀬!」

その後、炭治郎が伊之助・禰󠄀豆子と一緒に二人がいる場所へと駆け寄ってくる。


「怪我は?」
「かすり傷がほんの少しだ、大丈夫」
「良かった…それでね、ちょっと聞いてみても良い?」

七瀬は自分と杏寿郎。互いが受けた術の事を炭治郎に話した。


「心か…俺達はちょっと違って、体力を試されるって言うか…」
「体力……身体能力?」

「ああ、うん。それだな。だからさっき善逸は八連を出したんだと思う」
「なるほど…確かに霹靂一閃の八連って方向変えたりしながらの連撃だもんね…体力は必要」


「で、その善逸は……」

通常であれば、善逸と言う剣士は型を放った後、地面に伏せて寝ている事が多い。


「ねえ!!善逸、立ってない??」
「ああ?んなわけあるか……?うぉっ!」

七瀬はありえない物を見てしまった。そんな驚きを隠しきれず、隣にいる伊之助の肩を思わず掴んでしまう。

「嘘だろ……立ってるなんて…」
「ムーン??」

七瀬、伊之助、炭治郎が驚愕の表情を浮かべる中、その善逸が皆がいる場所へ小走りでかけてくる。



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