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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第19章 スサノオ・アマテラス・ツクヨミと大蛇(おろち) ✴︎




「うぉっ、何だ、これ!! 体にまとわりついてきやがる、気持ちわりぃっ!!」

「全集中・水の呼吸」
「弐ノ型・改 — 横水車!」

炭治郎が伊之助を取り囲もうとしていた、残りの砂ぼこりを横に回転する水車で弾き飛ばした。

「あっぶねー……」

ひやりとした伊之助だったが、友人にとても感謝をした。口には出さないけれど。


「あーもう、面白くねーな!沃野(よくや)交代。頼むわー」

風の蛇は四人目の蛇の肩をバシンと叩いて、一旦後ろに下がる。


「………相変わらずうるさくてかなわん」

沃野と呼ばれた蛇は嫌そうに颯を一瞥すると、両手をパンと合わせて目を瞑る。


「血鬼術————」
「地盤落下傘(じばんらっかさん)」


茶色の蛇の目の前の地面がむくむくと盛り上がり、そのまま放射状に土が放たれたかと思うと、勢いよく落下していく。
その落下するであろう、先にいるのは善逸。頭を俯けて、ゆらりと立っている。


『…………寝ているんだよね? 』


疑問に思う七瀬だ。善逸の周りは青い光がバチ…バチ……と弾かれるような音を出しながら彼を取り囲んでいる。
いつもの前傾の姿勢だ。

次に鞘を左手で、反対の右手は柄を握った。善逸の口元から呼吸音がする———


「雷の呼吸・壱ノ型」
「霹靂一閃 ——— 八連!!」


左足で勢いよく地を蹴った彼は、ニ回、三回、四回……と両足を交互に使って同じように地を蹴って進む。
その速さは “疾風迅雷” と言う表現がぴったりだ。

最後の四回目で楼門をドン……!と踏み台にすると、上空から降ってくる土を一つ残らず、雷刀で粉砕した。


「面白い……血鬼術———」
「地天栄達(ちてんえいたつ)」


二つ目の血鬼術を放った地を操るこの蛇。
身長百九十センチ近くの大男で、華やかな風の蛇とは正反対で顔立ちは地味だ。瞳と髪の色は赤錆色(あかさびいろ)で、頬には蛇の形をした茶色の痣。



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