第19章 スサノオ・アマテラス・ツクヨミと大蛇(おろち) ✴︎
右手人差し指で、つつつ……と辿って行った先は、二つ目の大きな灰色の鳥居。
「なるほど、ではそこまで行ってみよう。各自周りに気を配って進むように」
杏寿郎は周囲をぐるりと見回し、先頭に立って前方に歩みを始めた。七瀬の双眸には炎柱の羽織が再び逞しく見える。
彼の後に炭治郎、禰󠄀豆子、善逸、七瀬、伊之助と続いていく。それから五分も経たない内に二つ目の鳥居に到着した。
『うん、私でも何となく感じるな、この薄気味悪い感覚』
「確かに禍々しい気が漂っているな……ではここからは二手に分かれよう」
「あ、それじゃあ……」
杏寿郎の指示に口を開いたのは炭治郎だ。
「竈門少年、どうした?」
「はい…七瀬なんですけど、俺達と一緒にいるより柱の煉獄さんと一緒に行動した方が良いんじゃないかと思います」
「俺もそう思います」
善逸も炭治郎の意見に同意し、真っ直ぐと杏寿郎を見つめている。
「ギョロギョロ目ん玉!」
続いて、伊之助が杏寿郎に声をかけた。
「頼んだぜ」
「……承知した。では七瀬は俺と行動しよう」
「じゃあみんなこれ………」
七瀬は杏寿郎に持ち運んで貰っていた風呂敷を受け取り、ある物を三人分取り出した。
槇寿郎より譲ってもらった酒。これを隊服の帯革(=ベルト)につけれるよう、入れ物を竹筒にしようと思った。
しかし酒の臭いが強かった為、町で見つけたアルミ製の小ぶりな水筒に入れ替えたのだ。
『これならお酒の臭いはそんなにしない気がする…多分だけど』
炭治郎・善逸・伊之助の三人に紐がついた水筒を渡す。
「何かあれば、鎹鴉を飛ばしてくれ。こちらも同じようにする。それから、酒はここぞと言う時のみだ。大切に使おう」