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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第18章 始まりは日であり、炎は派生である 〜元炎柱・煉獄槇寿郎〜













「七瀬ちゃんってさあ」
「うん……」

我妻少年が彼女から話を聞き終わった後、一番に口を開く。

「本当にここぞと言う時に強いよね。巧さんがよく言ってたけど……俺、改めてそう思った」

「ありがとう」

笑顔を向ける七瀬だ。これは少年に同意だな。


「おい、七瀬……また今度俺と勝負しろ」
「う、うん。良いよ………」

よく名前を間違える……これは俺も人の事が言えないな。
猪頭少年がきちんと七瀬の名前を呼んだ。自分と同じように恋人も目を丸くして、驚いている。


「俺の心配は必要なかったかもな」
「ううん、そんな事ない。気にかけてくれて凄く嬉しかった」

竈門少年が両肩をすくめながら、七瀬に笑顔を見せる。自分の本心でもある思いを彼女に伝えてくれた少年には感謝せねばな。


「よし!今の話を聞いても、やはり七瀬は連れて行くべきだ。明日の為にもう休むぞ」

締めの言葉を四人に伝えて話し合いを終えた。そうして少年達三人は、各自あてがわれている部屋に戻ったのであった。











七瀬はきちんと寝れているだろうか。

厠(かわや)で用を済ませ、自室に向かいながら思い浮かぶのは彼女の事だ。気になった俺は恋人の部屋へと足を進めていく。


すると廊下の奥から姿を見せたのは、今しがた丁度頭に思い浮かべていた相手だ。

目が合うとどこか安心したような笑顔を見せてくれた彼女に「………眠れないのだろう?」と問いかけ、七瀬の頭に手を乗せる。

「はい……気持ちが高まってしまって」

やはりそうか。
頭に手をのせたまま柔らかく撫でた後、ふわりと自分の腕の中に恋人を抱き寄せた。


「俺の部屋に来るか?」

問いかけてみると、胸の前で小さな頭がこくんと縦に動く。
よし、では……俺は彼女の手を自分の手でしっかりと繋ぎ、二人で自室へと向かっていく。




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