第18章 始まりは日であり、炎は派生である 〜元炎柱・煉獄槇寿郎〜
「……!」
その様子を見ていた竈門少年がハッと目を見開き、息をのむ。
「承知した! 七瀬もこう言ってくれたし、決まりだな」
彼女の顔が上がった事を確認した俺は、もう一つの懸念事項を相談するように問いかけてみた。
「さて、次に酒の調達なのだが……」
「あの!」
俺が全てを言い切る前に、左隣から声がかかる。
七瀬は基本的に人の話を最後まで聞いた上で、言葉を発する性質だ。珍しい事もある物だな。
「どうした?」
「お酒なんですけど」
「うむ、酒がどうかしたのか?」
次の瞬間 —— この場にいる誰もが思いもよらない事を言われてしまい、驚愕した。
「今朝槇寿郎さんから、お持ちのお酒で一番度数が高いものを頂いて来ました」
「なんだと??」
「ええっ?」
「うぉっ?」
「ねえ、何で?」
俺・竈門少年・猪頭少年・我妻少年が矢継ぎ早に。
たすきのように言葉を繋いだ後「ムーン?」と竈門妹が、俺達の言葉を受け継ぐように首を傾げた。
一体彼女は、父上とどんな会話をしたのか……?