• テキストサイズ

沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第18章 始まりは日であり、炎は派生である 〜元炎柱・煉獄槇寿郎〜




「そうだな。俺は七瀬を連れて行くべきだと考えている」

そう答えた瞬間 ———


「煉獄さん、ダメです!危険です!」

先程よりも興奮した竈門少年が、勢いよく立ち上がった。すると七瀬が彼を諭し、座るように促す。

「ムーン?…」

続いて霧雲杉の背負い箱から出て来た小さな竈門妹が、大きな声を出した少年にぎゅうと抱きついた。


「ごめん、禰󠄀豆子もありがとな」

竈門少年は竈門妹の頭を一度撫でた後、七瀬と一緒にゆっくりと座布団に腰をおろす。少年の表情が和らいだ事を確認した俺は、先程答えが出た考えを話し始める。


「竈門少年の気持ちもわからなくはない。しかし、君と同じで2つの呼吸が使える七瀬は貴重な戦力だ。いいか?よく聞いてくれ。俺達鬼殺隊は鬼の滅殺を最も優先しなければならない。それは君もわかるな?」


「はい……」

ここで一旦言葉を切り、湯飲みに入っているお茶を一口啜った。


「故に個人的な感情は時として封じなければいけない時がある。それは鬼が世に蔓延る限り、ずっと続いて行く事だ。今回の鬼討伐に七瀬は間違いなく必要。猪頭少年も言った通り、八岐大蛇について1番詳しいのは七瀬だからな。だから、俺は連れていく。そう決めた」



……と、口には出したが実際若年の女子ばかりが狙われ、七瀬もその対象に入ってしまうと言う事実は、内心やはり複雑だ。

そして柱の自分と一緒の任務に行く。
これは通常の任務に比べて、危険度もグンと上がる。

しかし、七瀬は鬼殺隊の剣士で、俺の継子だ。
悪鬼を滅殺出来る可能性が少しでも上がる事が見通せるなら、同行させねばならない。


「ありがとうございます、そこまで言って頂いて。私も行かせてください。お願いします」

横に座った七瀬が、自分に向かって頭を下げた。



/ 473ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp