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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第18章 始まりは日であり、炎は派生である 〜元炎柱・煉獄槇寿郎〜




今回その鬼の討伐を俺と一緒に同行せよ、とお達しがあった人選が —— 竈門少年・我妻少年・猪頭少年の三人と、自分の継子である七瀬だ。


「あの……」
一人の少年が右手を上げ、三人の中で真っ先に口を開き俺に問いかける。


「我妻少年、言ってみろ」

「はい、若い女の子ばかり狙われていると言う事ですが、七瀬ちゃんもその若い女の子に該当すると思うんですけど」

「……そうだな」

ふむ、やはりここが気になるか。そうであろうな!
俺が次に発する言葉を考え始めた時分、今度は竈門少年が興奮ながら口を開く。


「煉獄さん、俺は七瀬を連れて行く事には賛成できません。危険すぎます!」

「そうだな、君の言う事は正しい」

竈門少年は七瀬の弟弟子だ。一年以上共に修行していたので、家族を心配するような気持ちなのだろう。
それを言うなら俺とて、七瀬は大切な恋人だ。しかし……


「んー……でもよ、そのヤマタノなんとかの事に……モグ……一番詳しいのはこいつじゃねえか?……モグ……だったら連れていくべきだと思うぜ」


猪頭少年が再びカステラに手を伸ばし、口に入れながら意見を発してくれた。自分が懸念している事を頃合いよく言葉に出して貰ったので、やや驚いてしまう。

それを聞いた竈門少年並びに我妻少年が眉間に皺を寄せながら「う〜ん」と腕を組んで、天井を見上げる。


「やっぱうめーな。これ! 何だ? お前ら食わねえのか?」

二人とは対照的に、猪頭少年は持っていたカステラを全て食べると満足気に呟いた。
彼の発言に毒気を抜かれた俺の元に「杏寿郎さんは、どうお考えですか?」と、左隣から問いかけられる。

発言者は七瀬だ。


『”恋人”と言う立場から見れば、先程も思った通り、俺も当然反対だ。しかし、これは任務。今は立場上、”柱”として考えなければいけない。猪頭少年の言う通り、この場にいる人間の中で一番八岐大蛇に詳しいのは七瀬だ。で、あればやはり……』


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