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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第18章 始まりは日であり、炎は派生である 〜元炎柱・煉獄槇寿郎〜




「どんな内容なんですか?」

「君は氷川神社の事は知っているか?」

「砧村(…現在の東京都世田谷区喜多見)にある神社ですよね。ここ駒澤村(…現在の東京都世田谷区桜新町)から六キロ先の。氷川と名前がつく神社は他にもたくさんあるようですけど」


「そのようだな」


氷川神社とは、埼玉県・東京府の荒川流域、特に旧武蔵国足立郡を中心にして氷川信仰に基づいている神社の事だ。
埼玉県にある「武蔵一宮氷川神社」が、約二百八十社ある氷川神社の総本社と言う位置付けになっている。



「出てるんですか?鬼が」

「その通りだ! しかし出るのは砧村ではない。赤坂の氷川神社だ」

「赤坂にもあるんですね、初めて知りました……」

「俺もだ! 何せ二百八十社もあるからな。面白い事に七瀬、ここのご祭神は君と非常に縁深いようだぞ」

「え………それって……」


彼女の双眸が先程の朝食時にも見かけた “もしかして?”の感情を宿して、俺をまっすぐと見据えている。
これを告げるとさて、君はどのような表情を見せるのか?





「そうだ……ご祭神は須佐之男命(スサノオノミコト)だ」

「えっ!! そう、なんですね……」

















三日後の木曜日、時間は午後十時五十分を回った所だ。俺は七瀬の他に同行せよ、と指令があった隊士三人を我が家に呼び寄せた。皆(みな)が集まっているのは客間だ。


「お、やっぱり……モグ……これ……モグ……うめえな!!」


座卓の上に置いてあるカステラを口の中いっぱいに頬張っているのは「猪突猛進」が口癖の猪頭少年。
彼は俺の左横にいる七瀬の目の前にあぐらをかいて座っている。


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