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沈まぬ緋色、昇りゆく茜色 / 鬼滅の刃

第15章 紫電・心炎の想い / 八雲の踏み込み・蟲の戯れ




「でも、これは最高の験担ぎです。簡単には負けないようにしますね……」

七瀬は体の中から温かい気持ちがふわっと湧いてくると同時に、気持ちも落ち着いて来る。
そこへ ——


「おーい、煉獄! 沢渡! 時間過ぎてっぞー! 早く戻ってこい!」

「む、戦の神がお呼びだな」

「ふふ、はい」

天元から声がかかり、二人は額をゆっくりと離していく。
「先に行ってくれ」と七瀬に声をかけた杏寿郎は、彼女の背中を後押しするように前へ押し出す。

笑顔になった七瀬は体も心も弾ませて道場に入った。



「おっ、良い顔になってんじゃねぇか」

戦の神は彼女が帰って来ると、送り出した時と同様にニヤニヤした顔を見せた。

『宇髄さんも本当、人の事をよく見ているよね』

七瀬は再度木刀を持ち、目の前に立つしのぶに向き合う。


「……すごく良い顔になってますね」

『そうだった! 彼女もよく人の事を観察する人だった』

柱はやはり洞察力に長けているなあ、と実感する七瀬である。


「これで最後です、お互い思い切り行きましょう?」
「はい!!」
「三本目、始めっ!!」



—— さて、蟲柱との試合の結果は………

























「いたたた……」

三本目終了より三十分後、七瀬はしのぶに突かれた右肩へ氷嚢を当てていた。

「七瀬さん、本当に筋力が上がりましたね…」

しのぶもまた、七瀬が突いた左肩に氷嚢を当てている。
その時、襖がスッと開かれて一人の人物が入って来た。


「蟲柱様も七瀬ちゃんもお疲れさまでした〜。お二人凄かったですよ!」

「あ、氷嚢持って来て下さったんですね。ありがとうございます、助かります」

「ありがとうございます、須磨さん」




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