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燦姫婢女回顧【R18】

第17章 鼠姫





前庭の紅葉があでやかに色づいた正殿で婚礼の儀が行われた。


王族方の見守る中、二人揃って帝と皇后様に礼をして私たちは晴れて夫婦(めおと)となった。


伝統の花嫁衣裳を纏った私を見て燦姫様は目を細めた。

「ドブネズミだった娘が今や皇妃様だよ。この変わり身ったら。」


五王様―――いや今は一王様が訊く。

「ところで名前は「鼠」のままでいいのか?」

「………皇妃が、ましてや第一妃が「鼠」はさすがにマズいでしょって言ったんだけど、本人が気に入ってるからこのままでいいってさ。」


(鼠………ネズ)
最初呼ばれた時は戸惑ったけど、今となっては他の名前で呼ばれることは考えられない。


「「姉上」に似て頑固な姫様たからな。」

一王様は嬉しそうに婚礼の盃をグイと煽った。
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