第16章 太陽王
「だめだっ!」
ナンは卓をバンッと叩いて怒りを顕にした。
「ナン、お茶がこぼれちゃう……」
「ネズが「夏至の女王」なんて絶対だめだっ!」
「だって誰も名乗り出なかったらやりたくない娘に当たっちゃうかもしれないでしょ?死ぬとか言ってる娘もいるのよ?」
「ネズはやりたいのかよ?!」
「やりたいワケじゃないけど私は人前で裸になることとか慣れてるし、いつかはその………破瓜することになるだろうし?」
「………っ、そ、そういう問題じゃないんだよ!」
「どういう問題?」
燦姫様が私たちのやり取りを聞いて大笑いしている。
「燦ねえっ……!笑い事じゃないんだよっ!」
「ナンの方がよっぽど「乙女」だねえ〜
ネズは本当にあっけらかんとして。
ああ可笑しい。」
「とにかくっ、もう決まっちゃったんだからっ。」
「俺は絶対許さないっ!!」
ナンはプイッと離れを出て行ってしまった。