第5章 蛍の化身
(ネコさん……!声が出せないはずじゃ?!)
ずっと鳴き続けているネコさん、その声は甘く激しく………
(私、見ちゃいけないモノを見てる。でも目が離せない。)
私は息を殺して戸の陰に立ち尽くしていた。
細身なのにたわわなネコさんの乳房が揺れる間に見え隠れしているモノ……………
(アレ何だろう?熟れた桜桃の様な。)
四つん這いで拡げた脚の間の「桜桃」は姫様が手に持ったモノを抜き挿しする度にピクピクと動き、徐々に赤みと大きさを増してきている。
無論脚の間もつるつるにされていて遮るモノがないのですっかり見てとれる。
「カワイイねえ、もうここもこんなにして。」
姫様が細い指を伸ばして「桜桃」をキュッと捻った。
その瞬間、ネコさんは一層高い声を上げて白い喉を反らしたかと思うと、ペタリと上半身だけ寝床に倒れこませた。
モノを突き挿したお尻は高く突き出したままで。切れ長の目はトロンとして口の端からは涎が垂れていた。
(えっ!?何が起きたの?)
思わず私はヒュッと息を呑んでしまった。
(まずい!)
私は慎重に後退って、音を立てない様に自分の寝床に戻った。
わずかに空気が動いて、離れの入口の薄布が動いたことに姫様が気がついていたのを知らずに。
翌朝、姫様は何事もなかった様にいつもの様に寝台で朝食を食べていて、これまた平然ときちんと長い衣装を着付けたネコさんが給仕をしていた。
「おや、ネズ。目が赤いねえ。昨夜は眠れなかったのかい?」
私はドキリとした。
(覗き見してたの、バレてる?!)
背中に冷や汗が伝った。
姫様はそんな私には気がついていないのか、
「今夜は早く寝な。私とネコは酒宴に行ってくるから遅くなる。」
と淡々と告げた。
その夜――――――――
誰も居ない離れで私は早々と寝床に入ったが、眠れるワケがない。
昨夜の二人の痴態と声が蘇ってきて……………
私はガバッと掛け布を被った。
「行為」の全てが初めて見ることでとても驚いていたが、特に気になっているのはネコさんの脚の間にあった「桜桃」。
姫様がちょっと捻っただけで魔術にかかった様にカラダが蕩けてしまっていた。
(私にもあるのかな?)
私は起き上がり、カラダを折り曲げて恐る恐る自分のヒダを拡げてみた。