第4章 蕾酒
「目を開けな!」
姫様に言われ、私は今にも涙が溢れそうな目を開けた。
「これなーんだ?」
姫様はヒモの付いた大きな洗濯バサミの様なモノを二つ、私の目の前にぶら下げてきた。
(……………?)
「これはこうして使うのさ。」
(…………………!)
大きな二つの洗濯バサミ?で剃りたての私のアソコのヒダが左右一つすつ摘まれ、ヒモが引かれて中身がすっかりと剥き出しにされた。
洗濯バサミ?のヒモが立てられた左右の膝の後ろでそれぞれぐるりと一周回され、剥き出しのアソコのちょうど上でキッチリと結ばれた。
「あはは――ま〜る見え!」
姫様はさも愉しそうに笑う。
私はもう涙も出ない。
ネコさんが土瓶を携えてきた。
「これはねえ、私の故郷の上等な酒なの。今夜の為に取り寄せた。」
姫様はそう言って「引っ掛け」の付いた奇妙な形の盃を手に取り、ネコさんに土瓶のお酒を注がせた。
「花冷えで寒いからねえ、酒はグラグラに熱くしてきた。」
盃からは湯気がもうもうと上がっている。
「この盃をここに吊るして。」
私の膝の間にピンと張られたヒモに熱々の酒の入った盃が引っ掛けられた。
「王様や大臣方に振る舞うんだ。
どうだ?最高の余興だろ?」
(私にとっては最低だ…………)
「ちょっとでも脚を閉じたらアッツアツの酒がダイジなトコロに溢れるからね!そうなったら熱いなんてもんじゃないよ!
ヤケドしたくなかったらしっかり脚開いて見せておくんだよ!」
(……………っ!)
ここまでされると逆に「負けるものか!」といった気持ちが湧いてきた。
キッと目を見開いた。
「……いやだねえ、そんな怖い目をしてたんじゃ美味い酒も不味くなるわ。
目隠ししちゃって!」
人夫が細長い白い布を私の目元に当てた。
「そのまま頭も卓に括りつけちゃって!」
こうして私はカラダのどこも動かせなくなった。
「時間だ、行くよ。」
大きな布が私の上に掛けられ、人夫が卓の四隅を持ち上げた。
王族の待つ宴の場に運ばれてゆくのだ―――