第1章 生意気殺し屋と溺愛殺人鬼
ああ、これ。さっきのやつだ。頭がふわふわしておかしくやるやつ。
そう理解するのに時間はかからなくて。時々離れる唇の隙間からは吐息が漏れて、それに、リップ音が鳴り響く。鼓膜を刺激する。
「待って、もう、苦しっ…………んっ!」
やめてと言おうとする前に口を塞がれて酸素を根こそぎ奪い取られる。もう、死んじゃう。そう思った時、やっと唇から開放された。
一気に酸素を吸い込んで頭に送り込む。次第にクリアになっていく視界に安堵したのも束の間。
「ほら、お口もっと開けて。」
「え…………?」
深呼吸していた時だった。また唇が重なって今度はさっきとは全然違う。舌が捩じ込まれて口内を掻き回す。ほんとに今度は息を吸う暇が与えられない。
口端から飲み込みきれない唾液が溢れてしまう。
「んっ、………。ふふ、キス初めてでしょ。息止めちゃってさ」
「…………………ぁ、っ、」
何か言ってるけど意識が朦朧として上手く受け答えが出来ない。
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「聞こえてないか。」
目の焦点が合っていない彼女。キスだけでこんなんになっちゃってこれから先のことを考えると楽しみで仕方ない。
次に視線を向けたのは彼女の身体。キャミソールが捲れてお腹が少しだけ見えている。
そして擦れたのか、キスで感じたのか布地を押し上げる乳頭。少し上から爪で押し潰すと彼女は小さく甘い声を上げ、腰が動いた。
それが面白くて、カリカリと執拗にそこを責め立てた。
「っ〜、」
彼女は下唇を強く噛んで声を押し殺している。それですら可愛くてもっともっと泣かせたくなって。我慢できなくてキャミソールをまくりあげた。
するとぷるんっと姿を現す大きな胸。ごぐりと喉がなった。