• テキストサイズ

愛執染着

第3章 cute aggression


____

正直、私はもう疲れきっていた。私の行動範囲はどんどん狭くなっていくばかりだったから。最初のうちは感覚が麻痺してしまって、それがひどいことだとは気づかなかった。「みんなそうだから」という言葉を信じきってしまった。そのせいで、それが当然のことだと思い込んで、その時にはほとんど洗脳されてたんだと思う。

「最近彼氏とはどう?」

バイト先の先輩に聞かれたから全てを話した。女友達とも遊びに行くなだとか、スマホを定期的にチェックしてきたり、男性の曲を聴くなとか。数え切れないから一部を話した。

「バイトもそのうち辞めさせられるかもしれないです」

バイトに関してよく思っていないみたいだったから、時間の問題なのかなって感じてた。

「それ異常だよ。よく別れないね」

「そうなんですか?みんなそうだって言われたんですけどね……」

「そんな事ないよ。ほんと、いつか殺されないか心配」

そこではじめて、彼の束縛は度が過ぎていることを知った。なんだか複雑な気持ち。

「さすがに殺されないですよ」

笑って言ったけど、有り得なくもないなと思ってしまう。そう考えたら急に怖くなってきた。彼と居たら危ないんじゃないかって。

「澪ちゃんもいい子すぎるよ。嫌だって思ったことはちゃんと言わないと」

たしかに、私は今まで彼に反論したことがなかった。ちょっとおかしいと思ってもそれが普通だからって言われて、私の方がおかしいんだって折れてしまう。

「今度からちゃんと言ってみます」

言えるか分からないけど、このままだとだめなきがする。私も彼も変わらないといけない。
/ 73ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp