第3章 cute aggression
「もーうごけない」
「まじでつかれた」
真新しいベッドに2人で横たわる。碧が疲れきった私の頭を優しく撫でて、それがすごく心地いい。
帰ってくるなり大量のダンボールを荷解きして、届いたベッドも組みたてて。体はクタクタ。
「明日はテーブルとか色々やらなきゃね」
「もうやりたくないよー」
「ご飯食べれないよ」
まだ残ってるなんてほんとに考えたくない。でも同棲してるって実感が湧いて、少し楽しかったりする。
「ほんと同棲できてうれしい」
「わたしもだよ」
「俺からは逃げられないよ。どこにいても探しだすからね?見つけた時には殺しちゃうかもしれない」
その言葉に、瞳に背筋が凍る。私は一生この人から離れられないんだろうなって確信する。じぶんのためにも絶対逃げちゃだめって脳が言ってる。
「逃げないよ」
「ほんとかなあ。もし浮気なんてしたら俺ほんとに澪のこと閉じ込めるからね」
この人ならやりかねないなんて思ってしまう。私のどこがそんなにこの人に刺さったんだろう。碧の職場に可愛い子なんていくらでもいるはずなのに。
「澪に手出して来た男も絶対殺す。バレないようにね」
「浮気なんかしないから。したらほんとに殺してくれても構わないよ」
「言ったな?」
そうでも言わないと信じてくれなさそうで咄嗟にそんなことを言ってしまう。私も依存してる部分はあるんだと思う。