第3章 cute aggression
「尋也まって」
「黙れ」
尋也は私に覆い被さって荒々しいキスをする。何度も角度を変えて、唇を食べるみたいに。頭には手を回され、苦しくても抵抗できない。すぐに口を割ってぬるりと舌が入り込んでくる。絡め取られて歯列をなぞられて、それがどうしようもなく気持ちい。
離れたかと思えば、すぐさま服を剥ぎ取られる。気持ちよくて、辛いあれが始まってしまう。
「その男にも裸見せたんでしょ?」
「みせてないよ。おねがい信じて」
「あっそ」
まるで聞く耳を持たない。尋也のスイッチが入ってしまった。
身体の至る所にキスをされる。頬、首、胸、お腹、腰。何度も口づけられて、がんじがらめに縛られていく気がした。
口付けられた全ての場所は強く吸われて赤い痣にも似た跡が付けられる。
「首はつけちゃだめ。せめて目立たないところにして」
「それじゃ意味ないでしょ。見えるとこにつけて見せつけんだよ」
自分じゃ見えないけど、沢山付けられてる。こんな付けられたら、指摘されたときどう言い逃れすればいいのか分からない。
「やっぱいいね。俺のものって感じがして」
尋也はそこで初めて笑顔を見せたけど、その顔は酷く冷めきっていて、目の奥は笑っていない。真っ黒な欲に染った目をしている。