第2章 王子様の秘密
「やべ、出そう……………、くっ、!」
生暖かい感覚がお腹の中でに広がっていく。ドロドロしてて、重たい気がする。飽和した脳でもわかった。これはやばいやつだって。
「なん、で。ゴムしてな…………?」
「孕んで。そうすれば俺から逃げられないでしょ」
孕んでって。まだお互い高校生だよ。もし本当に赤ちゃん出来ちゃったらどうすればいいの。
「大丈夫。責任はとるから。そのまま結婚して死ぬまで俺に抱かれて」
とんでもないこと言ってる。結婚ってなに?こいつ、何考えてんの。
「意味、わかんない」
何無責任なこと言ってんの。全部冗談なくせに。そんなこと出来ないでしょ。逃げるんでしょ?
「まあそうなるよねえ。俺の全部、ゆっくり教えてってあげるよ。物分りのいい澪ちゃんならすぐ飲み込めるんじゃない?」
「は……………?」
瞬間、ぐらっと意識が混濁とする。眠くて、疲れちゃって話すことですらしんどい。やばい、寝ちゃう。
「おやすみ澪ちゃん」
気味の悪い霧島の声を最後に私の意識は遠のいた。
終わりだと思ったのに。
これが悪夢の始まりになるなんて、思いもしなかった。