第2章 王子様の秘密
やっとの思いでロビーまでつき、外には車が見えていた。
すっごい大きい黒い光沢あるリムジン。ドラマとかでしか見ないよこんなの。
「乗っていいよ」
躊躇していると無理やり押し込まれて乗せられた。こんな大きい車初めて乗るからすごく緊張しちゃう。
てか、こいつ何者なの?どっかの御曹司なの?
運転手さんに住所を聞かれて、答える。カーナビに入力して家まで向かってくれた。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
この人執事さんだったりする?白い手袋はめてて、スーツ着てて。すっごいイケメンだし。
「惚れた?ずっとあいつの事見てるけど」
「違うし」
「あっそ」
変な空気が流れてすこし気まずい。そんな時、私の家に着いた。家とは言っても小さなアパートだけど。
「澪ちゃんって一人暮らしなの?」
「うん。だからなに」
「別に?家まで入れる?転びそうだし心配だから着いてく」
「いや来なくていいって」
いくら言っても引かないこいつ。諦めて家の前まで着いて来てもらった。
「送ってくれてありがと」
「うん。またよろしくね」
「は…………」
聞きたかったことは何も聞けないまま、霧島はかえっちゃった。
なによ、またよろしくって。