第2章 王子様の秘密
「ちょっと待ってて」
「は?」
すると霧島は誰かと電話し始めた。電話相手は一体………?
「うん。よろしく」
電話が切れた音がした。終わったみたいだ。
「あと少しで俺ん家の車来るから。それ乗って」
「いや、は?」
「どう見ても歩いて帰れないでしょ。だから送ってってあげるって言ってんの」
本当に意味がわからない。勝手すぎるでしょこいつ。私にも言ってないのに。
「下降りるよ」
「え、ちょっと待ってまだスカート履いてない」
スカートは足に通したままで、完全に履けていなかった。この状態で出歩くなんて無理でしょ。
「俺が履かせてあげる」
「いや、いいってば!!ちょっと!?」
ひょいって身体が持ち上げられて、ベッドに座らせられる。
「ちょっと腰浮かせられる?一瞬だけでいいから」
「無理。腰重たくて浮かない」
「じゃあ俺によりかかって」
本当は嫌だけど、そうするしかなくて。仕方なく霧島の首に腕を回して体重を預けた。すぐにスカートを腰まで上げてくれて履くことが出来た。
「ありがと」
「うん。支えてあげるから1階のロビー着くまで頑張れる?てか頑張ってもらわないと困るんだけど」
そんなこと言われたら無理やり身体を動かすしかないじゃん。
「わか、った。がんばる」
「うん。ありがと」
また王子様スマイル。それだけは正直かっこいいからやめて欲しかったりする。