• テキストサイズ

愛執染着

第2章 王子様の秘密


「ちょっと待ってて」

「は?」

すると霧島は誰かと電話し始めた。電話相手は一体………?

「うん。よろしく」

電話が切れた音がした。終わったみたいだ。

「あと少しで俺ん家の車来るから。それ乗って」

「いや、は?」

「どう見ても歩いて帰れないでしょ。だから送ってってあげるって言ってんの」

本当に意味がわからない。勝手すぎるでしょこいつ。私にも言ってないのに。

「下降りるよ」

「え、ちょっと待ってまだスカート履いてない」

スカートは足に通したままで、完全に履けていなかった。この状態で出歩くなんて無理でしょ。

「俺が履かせてあげる」

「いや、いいってば!!ちょっと!?」

ひょいって身体が持ち上げられて、ベッドに座らせられる。

「ちょっと腰浮かせられる?一瞬だけでいいから」

「無理。腰重たくて浮かない」

「じゃあ俺によりかかって」

本当は嫌だけど、そうするしかなくて。仕方なく霧島の首に腕を回して体重を預けた。すぐにスカートを腰まで上げてくれて履くことが出来た。

「ありがと」

「うん。支えてあげるから1階のロビー着くまで頑張れる?てか頑張ってもらわないと困るんだけど」

そんなこと言われたら無理やり身体を動かすしかないじゃん。

「わか、った。がんばる」

「うん。ありがと」

また王子様スマイル。それだけは正直かっこいいからやめて欲しかったりする。
/ 70ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp